貿易風

「世界をいい映像で満たしたい」

そんなわたしが演劇と出会ったのはいまから5年前の話。コロナ禍で無観客公演を強いられていた京都の学生劇団で、記録映像のお手伝いから。

 演者の本気の演技に魅せられ、特にオープニングダンスは鮮烈に目に焼き付いています。


 はじめまして、創世風満智留です。「そよかぜみちる」と読みます。愛知県出身、京都府在住、大阪府の大学に通いながら、普段は「劇団立命芸術劇場」(立芸)という劇団で演劇をしています。今回は山口県で演劇をします。


 ……あまりに不思議な人間ですね。


 幼い頃から放送や映像とふれあい、いろんなものを創ってきました。放送や映像の現場では、プロデューサーをPと呼ぶ風習があります。あまりにPをやりすぎて、いつしかそれがそのままあだ名になりました。そしてそのまま演劇の世界にもやって来ました。創世風満智留、人呼んで“P”。


 主宰の小田さんとは、かれこれ1年近いご縁です。


 立芸で小田さん戯曲『新説・銀河鉄道の夜』(新説)を演出したい!と言い出したのが去年の4月末。紆余曲折ありましたが、去年の11月末に学園祭公演で上演できました。


 わたしは、「わくわく」が大好きです。何かに迷えば「わくわくする方」が正解だし、「周りをわくわくさせる」のが自分の仕事だと思っています。新説は、そんなわくわくを求めるわたしの目に留まりました。


 上演後も、とにかく新説に想いが溢れていました。今年の2月と3月に京都から山口まで、後輩や同期を連れて観劇するようになりました。獺祭(日本酒)がおいしかったので買って帰りました。


 そうして今回、ここにいます。


 「小田さんと舞台をつくる」は、叶っても数年後か、くらいに思っていました。そんなことなかったです。想いは口にしておくものですね。


 そんなわたし、今回は“映像さん”です。プロジェクターを使います。「世界をいい映像で満たしたい」ので、最近、立芸以外の映像もちょくちょくやるようになりました。演出家さんによっても考え方は違うし、その劇団の風土や文化によっても考え方が違っていて面白いです。所変われば品変わる、を楽しんでいます。わたしの技術が、このユニットの感性でどう使われていくのか、見てみたい。


 「なんかPがロカイユを焼き始めたよ」「小田さんのとこでですか!?」と、京都でも早くも何人か興味を持ってくれています。初詣でひいたおみくじは「西方よし」でした。これから、ここから、わくわくを創っていきます。


2025.03 萩往還梅林園

演劇ユニット・ロカイユ

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